祇をんまり菊 GION MARIKIKU


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京都舞妓ことば集

花街・祇園のことばをご紹介します。

京都舞妓をはじめとした花街で暮らす人々の使うことばをどのくらいご存知でしょうか?
彼女達の使うことばは、上品で日本情緒あふれる「京ことば」です。
こちらでは、そんな京ことばの中でもよく使われるものをご紹介します。
京都にお出かけの際には、ぜひ耳をすまして聞いてみてください。

舞妓が使う京ことば

あ行か行さ行た行な行は行ま行や行|ら行|わ行番外編

 

あ行

あいさに (名) 
時々。たまに。
「あいさにでぼちんてかてかなりまっしゃん」
(時々、おでこがテカるでしょう)
あいや (名) 
足。
「あいやがあいさにカイカイ虫やわー」
(たまに足が痒いときがあります)
あきまへん (句)
だめです。
「そないなことはあきまへんな」
(そんなことしたらだめです)
いちびる (動) 
調子に乗ってふざける。
「あのお人さん、いちびりどんな」
(先ほどのお方は調子の良い方ですね)
うっとこ (名)
わたしの家、もしくは会社。
「あんさんとこテレビ大阪映りまんの!?うっとこ、あきまへんわ」
(あなたのお家はテレビ大阪が映るの!?私の家はだめです、映りません)
えげつない (形) 
人情味がない。しんらつな。
「えろ、えげつないやり方どすなぁ」
(ものすごく、人情味のないやり方ですねぇ)
おあがりやす (句) 
食べてください。
「時間あれへんから、はよおあがりやす」
(時間がないので、早く食べてしまいなさい)
おいど (名)
おしり。
「蜂さんにおいど刺されてもてパンパンどっしゃん」
(お尻を蜂に刺されてしまい、腫れてますよ)
おいやすか (句)
いらっしゃいますか。
「あんたはん、月曜日は会社においやすか?」
(月曜日は会社におられますか?)
おおきに (副) 
ありがとう。
「へぇおおきにお姉さん」
(はい、ありがとうございます。先輩!)
おかあさん (代)
お茶屋・置屋の内儀。
「おかあさんによろしゅういうといとおくれやっしゃ」
(女将さんによろしくお伝えください)
おきばりやす (句)
がんばってください。弟子や目下の人に対してのあいさつ語。
「あんたはん、明日の発表会、おきばりよしや」
(明日の発表会頑張るのよ)
おこしやす (句) 
いらっしゃいませ(「おいでやす」よりも丁寧)。
「おこしやす。よう来とくれやしたなぁ」
(いらっしゃいませ、ようこそ!)
おたのもうします (句)
どうぞお願いします。ごめんください。
「よろしゅうおたのもうします」
(ご来店ありがとうございました!またのお越しをお待ちしております)
おばけ (名)
節分の日に芸妓や舞妓が仮装すること。
「そろそろおばけの季節どんなぁ、今年はリオのカーニバルで行きまひょ」
(そろそろ仮装祭りですね。今年はリオのカーニバルの仮装をしましょう)
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か行

がっさがさ・かっさかさ (句)
(お肌が)乾燥している様子。
「最近冷房で乾燥するさかい、夏でもがっさがさのかっさかかやわ」
(最近冷房で乾燥するから、夏でもお肌が乾燥してかさついているわ)
かんにんえ (句)
ごめんね。許してください。
「これあんたの飴さんやったん。知らんと食べてもたがな。えろ、かんにんえ〜」
(あなたの飴玉だったの?そうと知らずに食べてしまったわ。本当にごめんなさいね)
こーとな (形動)
地味な。
「こらまたこーとなことで」
(それはそれは地味なことです)
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さ行

さかい (接) 
〜から。
「ピザ注文するさかい、こん中から好きなん選びよし」
(ピザを注文するから、この中から好きなの選んでね)
しといて (句)
しておいてくれないか。
「反物屋はんに電話しといてくれへんやろか」
(反物屋さんに電話しておいてくれない?)
じゅんさいな (形動)
いいかげんな。どっちつかずの。
「そないじゅんさいなこというお人やおまへん」
(そんないいかげんな人じゃないと思います)
しょうもない (形)
つまらない。
「しょうもないこと言うてんと、はよお風呂お入りやす。お湯ちべたなりまっせ」
(ジョークもいいけど、早くお風呂に入っちゃいなさい。お湯が冷めるわ)
しんきくさい (形)
めんどうくさい。
「えろしんきくさおすなぁ」
(大変面倒くさいことになったわ)
すかたん (名)
見当はずれ。とんちんかん。
「いや!わて、すかたんしてもたやろか?」
(あら、私、見当はずれなことしちゃったかしら?) 
すんまへん (句)
すみません。ありがとう。
「いつもすんまへん」
(いつもありがとうございます)
せわしない (形) 
忙しい。
「パァーッと来てパァーと帰らはったな、せわしないこっちゃで」
(お見えになられてすぐにお帰りになられましたね。忙しい方ですね)
そんなこといわんと (句)
そのようなことを言わないで。
「そんなこといわんと、一緒に素人名人会出ような」
(そのようなことを言わないで、一緒に素人名人会に応募しましょうよ)
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た行

だいじおへん (句) 
さしつかえない。
「このお魚さん、明日なってもだいじおへんやろか?」
(このお魚、明日いただいてもさしつかえないよね)
だだがらい (形) 
むやみとからい。
「わっちゃー。このおつゆだだがらいだだがらいな」
(うわー。このお出汁むやみとからいのねー)
ちゃちゃいれる (句)
かきまわす。邪魔する。
「ちゃちゃいれたあきまへんえ」
(邪魔してはいけませんわ)
ちょちょこばる (動)
かがむ。しゃがむ。
「もうちょっとちょちょこばっとくれやっしゃー」
(もう少ししゃがんでくださーい)
てかてか (形)
脂ぎって光っているいる様子
「まり菊は塗りすぎたらあきまへんえ、てかてかなりまんねん」
(まり菊は多すぎてはだめですよ、油ぎってい光ったようになりますから)
でぼちん (名)
おでこ。額。
「でぼちんコッツーン打ってもわて知りまへんえ」
(おでこガーンと打っても私知らないから)
どうえ (句) 
どうですか。
「最近どうえ?」「おぶどうえ?」
(最近どうなの?)(お茶飲まれますか?)
どんつき (名)
突き当たり
「運転手はん、このどんつきを上(かみ)へあがっとくれやす」
(運転手さん、この道の突き当たりを北に向かってください)
どん (名)
まぬけ
「えらい、どんなことしはりましたんやなぁー」
(すごい、間抜けなことされたのですね。)
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な行

ねえさん (代)
舞妓たちが先輩の芸妓、舞妓に対して使う。
「へぇ、ねえさん、よろしゅうおたのもうします」
(はい、先輩、今後ともよろしくお願いいたします)
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は行

はんなり (副) 
陽気で上品な明るさのこと。
「いっやー…はんなりしたべべどんなー」
(うわー!とても上品で明るい柄のお着物ですね)
ぶさいくな (形動)
ぶかっこうな。みっともない。
「そらぶさいくどっせ!他にえー案おまへんのん?」
(それはみっともないですよ別の案か何かないのですか?)
へたる (動) 
疲れ倒れる。風邪(などで)休む。
「先週はインフルエンザでへたってましてん」
(先週はインフルエンザでお休みをいただいておりました)
ほっこりする (動)
ほっとする。疲れがでる。
「はぁー、おぶとおまんはほんま…ほっこりしまんな」
(はぁー、お茶とおまんじゅうをいただくと本当に…ほっとしますね)
ほったらかす (動)
放置する
「あんたはん、奥さんほったらかしにしたらあきまへんえ」
(お客さま、奥様を大切になければだめですよ)
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ま行

まったり (副)
とろんとして穏やかな口あたりのこと。
「そこのかぶらのたいたんは最後にくずで和えたあるからまったりとしたお味でしたな」
(あの店のかぶらの煮物は最後にくずで和えてあるので、とろんとして穏やかな口当たりでしたね。
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や行

ようおこしやした (句)
よくおいでになりました。
「えろ遠いとこからようおこしやしたなぁー」
(とても遠いところからよくおいでになりましたね)
よーけ・ぎょーさん (副)
たくさん
「よーけおあがりやす」「ぎょーさんおあがりやす」
(たくさん食べてね(残したらだめよ))
よばれる (動)
ごちそうになる
「先日はえらいえーとこよんでもろておおきに」
(先日はとても美味しいお食事をごちそうになり本当にありがとうございました)
ろーじ (名)
入り口の狭い通路
「坪井はんとこかいな?そのろーじ入ってどーんと行った右てやで」
坪井様のお宅ですか?その路地をはいってまーっすぐ行った右側にあります」
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わ行

わて (代) 
わたし。年配の女性が用いる。
「わてかて、まだまだ女どすさかい、恥じらいくらいおますがな」
(私もまだまだ女ですから、恥じらいくらい持って生きております)
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番外編

スタッフが聞いた祇園町の方の言葉でお気に入りをご紹介。みなさんが使っているワケではないのであまり自慢気に使用しないようにしましょう。

だだぼん (名)
だだをこねる子。
「あっこのぼんはほんっまだだぼんやな」
(あの家のご子息は本当にだだをこねる子ですね)
ペケポン (形)
ダメ。いけません。
ペケポンマル (形)
ダメからよくなる様子。
「あんさんそらペケポンどっせ」「あ、よーなったやん、ペケポンマルやな」
(君、それはいけません)(あ、修正できました。だめだったけどよくなりましたね」
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